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【正木利和のスポカル】絵を描くために生まれた人気画家ビュッフェの栄光と失意

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【正木利和のスポカル】
絵を描くために生まれた人気画家ビュッフェの栄光と失意

ベルナール・ビュッフェ「ガレの花瓶の百合」 ベルナール・ビュッフェ「ガレの花瓶の百合」

 絵を描くことと生きることが同義であるような人生を歩む画家がいる。

 生前はたった1枚しか絵が売れなかったにもかかわらず死後、高い評価を受けたフィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)、アルコール中毒と闘いながら描き続けたモーリス・ユトリロ(1883~1955年)などは、そうした画家といっていい。

 もちろん、才能がなくて日の目を見ることなく消えてしまった「絵画依存症」のような画家もあまたいるのだろうが、なかには成功をおさめ巨万の富をつかんだパブロ・ピカソ(1881~1973年)のような画家もいる。

 日本では、自分の絵は100歳を超えてから本物になるといった葛飾北斎(1760~1849年)、歳を重ねるほど画境も進んだと評される富岡鉄斎(1836~1924年)らがそこに名を連ねるに違いない。

 もうひとり、昨年10月からことし2月にかけて、パリの市立近代美術館で大回顧展が行われたベルナール・ビュッフェ(1928~99年)にも、彼らと同じにおいがする。

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 ビュッフェは戦後の具象画壇を代表するフランスの画家である。鋭利で硬質な太い輪郭線を駆使して道化師や闘牛士、チョウなどを描いた作品は、見る者の記憶のなかに突き刺さるほどに強い。日本人にも人気の高い画家で、静岡には彼の作品ばかりを集めた美術館も1973年からオープンしているほどだ。

 そのビュッフェのそれぞれの時代を象徴する作品15点が並ぶ「ベルナール・ビュッフェ展」がいま、大阪市西区江戸堀のジェイドギャラリー( http://www.jade-gallery.net/ )で開催されている(今月17日まで)。

 彼は20歳のころ、パリで批評家賞を受け、華々しいデビューを飾っている。ビュッフェといえば、独特の線とともに品のよいおさえた色彩で作品が構成されているイメージがあるが、若かりしころには、「グレーの時代」というべき色のない時代があった。「メロンのある静物」や「ランプのある静物」がそれだ。

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