産経WEST

【松下幸之助の伝道師(2)】実習拒否の塾生を一喝 厳しい指導で成長促す 尾崎高広さん、パナソニックES創研上席講師

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【松下幸之助の伝道師(2)】
実習拒否の塾生を一喝 厳しい指導で成長促す 尾崎高広さん、パナソニックES創研上席講師

松下幸之助の著書を手にする尾崎高広さん。経営の神様が松下政経塾の塾生と真剣に向き合う姿に感激したという(水島啓輔撮影) 松下幸之助の著書を手にする尾崎高広さん。経営の神様が松下政経塾の塾生と真剣に向き合う姿に感激したという(水島啓輔撮影)

 松下政経塾の1期生としてパナソニックグループ創業者の松下幸之助の薫陶を受けた尾崎高広さん(60)。経営の神様の厳しさを間近で感じた。

 --「経営の神様」といわれた松下幸之助さんは、松下政経塾の塾生たちとどんな話をしていましたか

 尾崎 塾生が最初によく聞かれていたのは「君、大学ではどんな勉強をしてたんだね」ということでした。さらに「僕に分かるように一言で説明してくれないか」と。話が長くなると「君、僕は小学校も出てないんや。その僕に分かるように説明してくれ」と言うんです。

 --難しい注文ですね

 尾崎 一言で答えるには、相当理解していなくてはならない。幸之助さんは、塾生たちが何のために、その学問を学んできたのか、その本質は何かを聞きたかったんでしょうね。例えば心理学は「よりよい人生を送るために人間の心の仕組みを学ぶ」ということです。たぶんそれでマルがつくのでしょう。今だから分かりますが。

 --政経塾では塾生はどんな暮らしをしていたのですか

 尾崎 月に1~2回、幸之助さんが来て理念や思想を講義しました。また、塾生たちに社会経験を積ませるために、当時の松下グループの工場でラインの仕事をしたり、ナショナルショップ(販売店)で家電を売ったりする研修もありました。しかし「どうして俺がやらなければならないんだ」という人もいた。

 --もめ事はなかったですか

 尾崎 ありました。販売店の社長とけんかをして帰ってくる人もいた。そんな時、幸之助さんはわれわれを集めて、本人から話を聞くんです。「君、実習いってないらしいやないか」と。すると、その塾生は「あの社長の考え方はおかしい。学ぶべきことがないので自分で実習をします」という。ここで、幸之助さんは話をじっと聞きます。これ以上言うことはないというくらいに聞く。頭ごなしに否定はしない。「君、いいことに気づいたやないか」とほめることもする。

続きを読む

関連ニュース

「産経WEST」のランキング