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【WOMEN】十二単の伝統技術を復活、京都の宮廷装束司・黒田知子さん

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十二単の伝統技術を復活、京都の宮廷装束司・黒田知子さん

「伝統の技術を残したい」と話す黒田知子さん=京都市の黒田装束店 「伝統の技術を残したい」と話す黒田知子さん=京都市の黒田装束店

 京都三大祭りの一つ「時代祭」に登場する清少納言の衣装が今年、27年ぶりに新調された。台風で祭りは中止となったが、衿(えり)の部分などに使われた伝統技術「板引(いたびき)」の復活が大きな話題となった。10年以上にわたる研究の末、再現したのは宮廷装束司、黒田知子(ちかこ)さん(53)。長年の努力の裏には「日本の美しい伝統文化を後世に残したい」という強い思いがあった。

 板引は布の表面に糊(のり)をコーティングして光沢を出す技術。平安時代に考案され宮廷装束などに重用されたが、関東大震災をきっかけに華美を慎む風潮が広がり、その後一部を除いて技術が断絶した。

 黒田装束店(京都市中京区)で、十二単(じゅうにひとえ)などの制作を担当する黒田さんは15年ほど前に板引を知り、復活させようと決意。伝統装束の研究者と協力しながら、古い文献を紐解(ひもと)き、何度も試作して、ようやく再現にこぎつけた。

 「糊や剥離(はくり)剤として使う蝋(ろう)と植物性油の種類や濃さは、気温や湿度などに応じた微妙な調整が必要で難しかった。板引のことがずっと頭から離れませんでした」と笑う。清少納言の衣装が完成したときは、「光沢があって本当にきれい」と素直に喜んだというが、「まだまだ納得できるものではありません。もっと研究しないと」とも話す。

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