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【この本おもろっ】定年後の日本のサラリーマンは世界一孤独 「濡れ落ち葉」と呼ばれぬため、「定年後」の著者が教える心構え

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【この本おもろっ】
定年後の日本のサラリーマンは世界一孤独 「濡れ落ち葉」と呼ばれぬため、「定年後」の著者が教える心構え

楠木新さん著「定年後」  楠木新さん著「定年後」 

在職中に準備を

 厚生労働省の簡易生命表(平成27年版)によると、日本人男性の平均寿命は昭和50年に初めて70歳を超えた後も右肩上がりに伸び、今や80・79歳に。楠木さんの概算では、会社での30数年間の総実労働時間は8万時間に満たない。しかし定年後(60歳~84歳)、睡眠や食事などの生活時間を除いた自由時間を約8万時間獲得できる。本書ではそのなかでも、会社や家族の扶養義務から解放され、介護を必要とせずに自由に過ごせる人が多いであろう年代である60歳~74歳までの期間を「黄金の15年」と定義。転身者の経験を例に、退職後をいい顔で過ごすためにどうすればいいのかを助言する。

 転身者の多くが「一定の成果が出るのに3年を要した」といい、在職中から準備を始めていたという。「何かを始めるのに時期は関係ないが、助走期間は長いほどいい」と楠木さん。50歳ごろから仕事と並行して執筆活動を始めたことが転機となった自身の経験も踏まえ、「会社勤めで人付き合いや刺激があるうちに次にやりたいことを見つけるべき」と呼びかける。

 だが、「やりたいことを見つけることが難しい」という声もありそうだ。楽器演奏や文章業、幼少期に憧れた大道芸人への転身などを例に挙げ「小さい頃に得意だったこと、好きで仕方なかったことが次のステップへのカギを握るかもしれない」と説く。このほか、勤務経験を生かしてNPO法人で働いたり、同じ業界内で会社規模を落とし、身の置き場をスライドさせることで新たな居場所を見つけた人の経験も本書で紹介。「自分をがらりと変えるのは難しい。(研ナオコさんの)『かもめはかもめ』なんです。でも群れを離れると(ベストセラーとなった)『かもめのジョナサン』になれるかも」とほほえんだ。

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