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【この本おもろっ】定年後の日本のサラリーマンは世界一孤独 「濡れ落ち葉」と呼ばれぬため、「定年後」の著者が教える心構え

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【この本おもろっ】
定年後の日本のサラリーマンは世界一孤独 「濡れ落ち葉」と呼ばれぬため、「定年後」の著者が教える心構え

楠木新さん著「定年後」  楠木新さん著「定年後」 

 このほか、さほどやることもないのに「毎日忙しい」と声高に言う人、周囲にクレーマー扱いされる大手企業の元管理職など、いきいきと定年後を過ごしているようには思えない人のエピソードに事欠かない。「毎日やることがない」「自分の人生は何だったのか」といった悲痛な声も紹介され、仕事だけに邁進した定年間際の人には受け入れがたい状況が記される。

予行演習で焦り

 50歳から本を書き始め、定年後の今を謳歌する楠木さんだが、生き方を迷い始めたのは40歳で兵庫県の自宅が被災した阪神大震災のときだった。「このまま会社にいるだけでいいのか」と思うようになり、周囲の定年を控える上司に自分を重ねても「その姿に納得がいかなくなった」。47歳で要職に就いたが順調な出世を望む一方、「このまま会社員を続けたら何も出来ずに終わってしまう」と自身の中に矛盾を抱え、体調を崩し休職を経験した。

 家での過ごし方がわからず、行くべき場所もない。転職も検討したが、年齢を理由に魅力的な求人が見当たらない。思いがけず定年後を“予行演習”する形になり、「自分がいかに会社にぶら下がっていたかを痛感した」。

 そんなとき、ふと頭によぎったのは生まれ育った神戸・新開地の商店街の店主たち。裏表がなく常に楽しそうな表情で、「何物にも捕らわれないいい顔をしていた。どうすればそうなれるのか」と気になった。そこで、復職後に取り組んだのが中年以降に転身し、いい顔で生きている人へのインタビューだった。テレビ局記者からプロの落語家、鉄鋼会社社員からそば屋店主など様々な分野から転身を遂げた150人超に取材を重ねた。その取り組みが注目され、作家としての道が開けたのだった。

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