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ゾウの結核治療に奨励賞「エンリッチメント大賞」 福山市立動物園が初受賞 「アカデミックな評価、光栄」

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ゾウの結核治療に奨励賞「エンリッチメント大賞」 福山市立動物園が初受賞 「アカデミックな評価、光栄」

福山市立動物園が治療する結核のゾウ 福山市立動物園が治療する結核のゾウ

 結核にかかったゾウの治療を続けている広島県福山市立動物園の取り組みが、飼育動物の生活環境向上への貢献を評価する「エンリッチメント大賞2017」の奨励賞を受賞した。同動物園では初めての受賞で、「支援してくれた人たちのおかげであり、アカデミックな評価を受けて光栄」としている。

 同賞は、動物園を通じて人と動物の関係を考えようという活動を進めているNPO法人「市民ZOOネットワーク」が制定。野生と同じ自然な行動を促す環境を実現するという“飼育動物の福祉”充実や、来園者の動物に対する理解と関心を高める取り組みを顕彰している。

 平成14年に創設され、26年には広島市安佐動物公園のオオサンショウウオ繁殖の取り組みが大賞を受賞している。今年は、全国で35件が選考対象となり、大賞1件、奨励賞2件が決まった。

 福山市立動物園の取り組みは、結核に感染したメスのボルネオゾウ「ふくちゃん」(推定19歳)の治療。感染が判明したのは昨年3月で、一時は餌を食べられなくなるなど危険な状態になったが、スタッフらの治療と介護で持ち直した。完治にはまだ時間がかかるものの、快方に向かっているという。

 ゾウの結核治療自体が国内では初めて。取り組みにあたって、動物園では来園者に闘病の応援を要請。市外からも励ましの声が寄せられるようになったことから、支援の輪をさらに広げようと、昨年末には枝広直幹市長らが発起人となり、「ふくちゃん応援隊」が結成された。

 今回の受賞はゾウの飼育に関して科学的な研究を進めたことにより、スタッフによる詳細な観察で結核を発見したことや負担のない投薬で病状を回復させたことなどに加え、市民と情報を共有し、問題の解決に力を合わせる体制を作り上げたことも評価された。

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