産経WEST

【石野伸子の読み直し浪花女】井上靖の大阪(6)新時代の小説「闘牛」 抒情と物語性を統合…記者の早業で執筆し芥川賞

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【石野伸子の読み直し浪花女】
井上靖の大阪(6)新時代の小説「闘牛」 抒情と物語性を統合…記者の早業で執筆し芥川賞

文化勲章を胸にふみ夫人と並ぶ井上靖=昭和51(1976)年 文化勲章を胸にふみ夫人と並ぶ井上靖=昭和51(1976)年

 文壇デビューのきっかけをつくった佐藤春夫も「何はともあれ第一に面白い」と称賛した。文芸評論家の中村光夫は「これまで私小説に独占されていた抒情と大衆文学に任されていた物語性とを総合して新しい型の小説をつくりだすことに成功した」と評した。

 新しい時代の小説。それを書き始めたのは大阪時代だった。

 ところで、「猟銃」と「闘牛」の主な舞台は阪神間であまり大阪という土地柄を意識させるものはない。そういえば、井上靖は12年ほど大阪の毎日新聞記者として過ごしているが、小説にはあまり大阪を描いていない。どちらかといえば阪神間の方がよく出てくる。どういうことだろう。   =続く

▼そのほかの「ベテラン記者コラム」を読む 

石野伸子 石野伸子 産経新聞特別記者兼編集委員。生活面記者として長らく大阪の衣食住を取材。生活実感にもとづき自分の足と感性で発見したホンネコラムをつづるのを信条としている。

関連ニュース

「産経WEST」のランキング