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【水中考古学へのいざない(17)】海賊の海に沈んだオランダ商船の謎 積み荷満載、自衛の大砲も

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【水中考古学へのいざない(17)】
海賊の海に沈んだオランダ商船の謎 積み荷満載、自衛の大砲も

モンテ・クリスティに沈む船から回収されたたばこパイプ(ジェローム・ホール氏提供) モンテ・クリスティに沈む船から回収されたたばこパイプ(ジェローム・ホール氏提供)

 水中メガネをつけ、現場の海底をのぞきこんだ。水深4・5メートル、手を伸ばせば届きそうな海底に船体がくっきりとみえる。「信じられない」。息をのむ眺めである。海底は砂地で、ほとんど真っ平らだ。その光景の素晴らしさに時がたつのも忘れ、気がつけばドミニカの強烈な日差しが、私の背中を痛いほど真っ赤に焦がしていた。

 †たばこパイプ3万点

 いよいよ潜水だ。残骸は縦約10メートル、横約20メートルの範囲に横たわり、巨大なサンゴのような岩盤が船体の大半を覆っている。私が担当した船体下部から、ヘアブラシに似た黒くて硬い獣毛のようなものが現れた。夜のミーティング時、ジェローム氏が「昔の木造船の大敵はフナクイムシだ。船底塗料を用い船体を保護する技術のなかった当時は、フナクイムシの嫌う獣毛を船底に敷くことによって、船体を守っていた」と解説してくれた。

 沈没船からは、クレー・パイプと呼ばれる粘土製のたばこパイプが実に3万点以上も引き上げられた。水中で見つかった世界最多のたばこパイプコレクションというべきもので17世紀半ばにオランダで製造され、輸出された。2つのタイプがあり、ボウル型はヨーロッパ人やアメリカに移住したヨーロッパ人に好まれた。もう一つは朝顔型として知られ新大陸の先住民族向けにデザインされたという。

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