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【午後のつぶやき 大崎善生】私の知らないところで進化していた「ジンギスカン」…しかし何か物足りない、記憶は煙の中に

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【午後のつぶやき 大崎善生】
私の知らないところで進化していた「ジンギスカン」…しかし何か物足りない、記憶は煙の中に

 少年時代の記憶はいつも煙の中にある。何の煙かというとジンギスカンを焼く煙だ。昭和32年に札幌に生まれた私にとって、2大ソウルフードといえば間違いなく、札幌ラーメンとジンギスカンであった。

 大阪のどこの家にもたこ焼き器があるように、札幌の家庭には必ずジンギスカン鍋があった(こう書くと大げさのような気もするが、案外そうでもないようにも思える)。

 当時ジンギスカンといえばポリ袋に袋詰めにされて、玉ねぎなどの野菜とともにたれに漬け込まれていた。「松尾ジンギスカン」と「義経ジンギスカン」が2大潮流で、たいていの家ではそのどちらかを食べていた。冷凍や冷蔵技術がまだ発達していない時代だったので、漬け込む技術が必要だったのだろう。従って私のジンギスカンの原点は袋に入り漬け込まれたタイプになる。最近、懐かしくなって50年ぶりに食べてみたが、タレが甘いのには驚いた。

 札幌に帰ると必ず立ち寄るのが「札幌成吉思汗 雪だるま」「さっぽろジンギスカン本店」「サッポロビール園」。どこも人気の名店なのだが、最近は生ラム肉が主流になっていて、上品すぎてジンギスカンを食べているような気がしない。私の世代の北海道出身のジンギスカン好きは、ラムよりも親の肉を好む。あのなんともいえない匂いこそが、少年時代を思い起こさせるノスタルジーそのものなのである。

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