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【井上章一の大阪まみれ】「弥生の都市国家」語るのは力瘤込めすぎ? 確かに従来の遺跡より立派だが…

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【井上章一の大阪まみれ】
「弥生の都市国家」語るのは力瘤込めすぎ? 確かに従来の遺跡より立派だが…

 弥生時代に、巨大な「神殿」がいとなまれていた。そう考古学者たちからはやされてきた遺跡が、大阪府にある。池上曽根遺跡である。そのエリアは、和泉市の池上町と泉大津市の曽根町にまたがる。池上曽根は、二つの町名をあわせてできた遺跡名である。

 ここに、弥生の集落があったことは、以前から知られていた。まわりを、直径三百メートルの堀がかこっていたことも、一九六〇年代には判明する。そして、一九九〇年代の発掘は、けっこう大きい建物のあったことを、つきとめた。建坪が四十坪、百三十平方メートルにおよぶ、おそらくは高床の建物を。

 その規模は、まわりで見つかる住居跡とくらべ、ぬきんでていた。集落のなかでは、きわだつ施設の跡が、ほりあてられている。「神殿」だとみなされたゆえんである。私は、それをうたがっているが。

 この「神殿」を中心にして、住居がたちならぶ。また、集落は人工的にこしらえた堀で、まもられていた。そのありようが、古代地中海の都市国家をしのばせたせいだろう。池上曽根では、「弥生の都市国家」がいとなまれたと、喧伝されもした。

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