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【鹿間孝一のなにわ逍遙】老後の前に「断捨離」してみた

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【鹿間孝一のなにわ逍遙】
老後の前に「断捨離」してみた

片岡鶴太郎さん 片岡鶴太郎さん

 一度も袖を通していないものやタグがついたままのものもある。似合うと思って買ったのが恥ずかしいが、流行遅れだし、体形が変わってしまったので、もう着られそうにない。

 こちらはエイヤッで、クローゼットやタンスがちょっとすっきりした。

 本は売れそうなものを選んで古書店へ、衣服はリサイクルショップへ。二束三文でも小遣いになり、手伝ってくれた女房にランチをごちそうした。

     ◇

 底が抜けた革靴が出てきた。もう20年ほど前、ちょっとお金が入ることがあり、記念にとブランド品を奮発したのだ。最初はよそ行きで、次第に普段履きしていたが、しまい込んだまま忘れていた。

 定番の型で、流行は関係ない。磨くと革に使いこんだ味がある。これは捨てることができないと修理に出した。

 2週間ほどして、できあがってきた。革底を取り換え、痛んでいた内部も補修してもらって、新しい靴を買えるほどの修理代がかかった。

 が、満足だった。まるで新品である。この靴で歩んだ日々がよみがえってくる。そう、若返ったような気分である。

 自分も修理できないだろうか。女房に断捨離される前に。

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鹿間孝一 鹿間孝一 産経新聞特別記者兼論説委員(平成25年9月まで大阪特派員を兼務)。北海道生まれの大阪人。生涯一記者を自任していたが、なぜか社命によりサンケイリビング新聞社、日本工業新聞社で経営にタッチして、産経新聞に復帰した。記者歴30余年のうち大半が社会部遊軍。これといった専門分野はないが、その分、広く浅く、何にでも興味を持つ。とくに阪神タイガースとゴルフが好き。夕刊一面コラム「湊町365」(「産経ニュースWEST」では「浪速風」)を担当。共著に「新聞記者 司馬遼太郎」「20世紀かく語りき」「ブランドはなぜ墜ちたか」「なにが幼い命を奪ったのか 池田小児童殺傷事件」など。司馬遼太郎に憧れるも、いうまでもなく遼に及ばず。

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