産経WEST

【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】かつて競馬にもあった“10秒の壁” 破ったのは…

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】
かつて競馬にもあった“10秒の壁” 破ったのは…

 競馬にも「10秒0の壁」がかつてあった。

 桐生祥秀(よしひで)選手が、陸上の100メートルで、日本人として初めて10秒0の壁を破って大きな話題になっているが、じつは競馬にも、10秒0の壁が長きにわたってそびえ立っていたのだ。

 1967年5月14日(日)。東京競馬場で行われた日本ダービー。このレースで史上初めて、「10秒0」というハロンタイムが計測された。ゲートがあくや一気に飛び出したチカラ(牡、父モンタヴァル、母ブゼンアサイチ)がスタートして2ハロン目に10秒0というタイムを叩(たた)きだしたのだ。

 ダービーは2400メートルの長丁場。それなのになぜ、こんな猛スピードで飛び出したのか。

 「あれは、カミナリの影響だね。スタートの10分くらい前から稲光がいくつも走って、ゴロゴロと音がしだした。そのカミナリが次第に近づいてきて、ドカーンと大きな音がしたときにゲートが開いた。びっくりしたチカラが、恐怖のあまり猛スピードで飛ばしたというわけさ」と長老記者は言う。

 1ハロンは約200メートルだから、この1ハロン10秒0というスピードは、時速になおすと72キロである。速いよねえ。

 カミナリの鳴るなかで生まれたこの10秒0という記録は、長きにわたって破るものがなかった。

続きを読む

「産経WEST」のランキング