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【脳を知る】高齢者のてんかん 認知症の症状と間違えやすい

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【脳を知る】
高齢者のてんかん 認知症の症状と間違えやすい

時々ぼーっとするのは、認知症でなく、てんかんかも 時々ぼーっとするのは、認知症でなく、てんかんかも

 「1、2分ほどぼーっとしたり、声をかけても反応がなく、口をもごもごさせたりすることがあるのです」

 70歳の女性が夫と一緒に物忘れ外来を受診しました。夜眠れない、頭がはっきりしないなどの症状で、以前から近くの心療内科に通院して鬱(うつ)の薬をもらっていました。

 時々ぼーっとしたり、ぽっかり記憶が抜けたりすることがあり、大きな病院で磁気共鳴画像装置(MRI)の検査を受けたところ、異常はなく、様子をみていたようです。しかし、夫がびっくりするほどの物忘れがたまに出るため、物忘れ外来を受診したのでした。

 MRIでやはり異常はなく、認知機能検査でも30点満点中28点と、ほとんど低下はありませんでした。この方(かた)は物忘れの他に、冒頭に示した症状が1日に3、4回出現するとのことで、てんかん発作も疑い、脳波検査をすると、てんかんの波が出ており、「高齢者てんかん」と診断しました。この方の物忘れは認知症からくるものではなく、てんかん発作だったのです。その後、てんかんの薬(抗てんかん薬)を内服してもらったところ、発作は消失して物忘れも改善しました。

 健康を維持する目的で設立された世界保健機関(WHO)の定義では、てんかんは「脳の慢性疾患」で、脳の神経細胞に突然発生する激しい電気的な興奮によって繰り返す発作(てんかん発作)を特徴とし、それにさまざまな臨床症状や検査の異常が伴うものとされています。

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