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【鹿間孝一のなにわ逍遙】「清宮暦」で振り返る夏だった

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【鹿間孝一のなにわ逍遙】
「清宮暦」で振り返る夏だった

選手宣誓する早実の清宮幸太郎主将=7月8日、神宮球場(福島範和撮影) 選手宣誓する早実の清宮幸太郎主将=7月8日、神宮球場(福島範和撮影)

 山際さんは書く。

 「あの清原と同世代の、しかも野球を通じてクロスした若者たちは『清原暦』のようなものを心のなかにつくりあげ、ことあるごとに自分史を思い出す物差しにしていくのだろうか」

     ◇

 そうなのだ。高校野球ほど人生のメルクマール(目印)となるスポーツはない。

 僕は「元祖アイドル」の太田幸司投手(三沢)と同学年である。延長十八回引き分け再試合となった松山商との決勝戦。2試合を一人で投げ抜いて、力尽きた姿に感動した。

 48年前をまるで昨日のことのように記憶している。同時に、同級生の女子がキャーキャー騒ぐ端正なマスクに嫉妬した思い出もある。

 近くなら平成18(2006)年の斎藤佑樹投手(早実)ではないか。「ハンカチ王子」は社会現象にもなった。

 生前、高校野球をほぼ全試合観戦して、感動を「甲子園の詩」につづった作詞家の阿久悠さんは「大仰な言い方をすると、この何十年間で、日本という国や日本に住む人々が、喪失してしまっていたものがすべて、この突然のヒーローの中に見つかったということだ」と書いた。

     ◇

 何年か後に、この夏を清宮選手の活躍と重ね合わせて振り返る人も多いはずだ。それを「清宮暦」と呼ぼう。

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鹿間孝一 鹿間孝一 産経新聞特別記者兼論説委員(平成25年9月まで大阪特派員を兼務)。北海道生まれの大阪人。生涯一記者を自任していたが、なぜか社命によりサンケイリビング新聞社、日本工業新聞社で経営にタッチして、産経新聞に復帰した。記者歴30余年のうち大半が社会部遊軍。これといった専門分野はないが、その分、広く浅く、何にでも興味を持つ。とくに阪神タイガースとゴルフが好き。夕刊一面コラム「湊町365」(「産経ニュースWEST」では「浪速風」)を担当。共著に「新聞記者 司馬遼太郎」「20世紀かく語りき」「ブランドはなぜ墜ちたか」「なにが幼い命を奪ったのか 池田小児童殺傷事件」など。司馬遼太郎に憧れるも、いうまでもなく遼に及ばず。

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