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【鹿間孝一のなにわ逍遙】「清宮暦」で振り返る夏だった

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【鹿間孝一のなにわ逍遙】
「清宮暦」で振り返る夏だった

選手宣誓する早実の清宮幸太郎主将=7月8日、神宮球場(福島範和撮影) 選手宣誓する早実の清宮幸太郎主将=7月8日、神宮球場(福島範和撮影)

 夏の全国高校野球選手権大会は、お目当ての清宮幸太郎内野手(早実)が残念ながら西東京大会の決勝で敗れて出場しなかったが、例年にも増して盛り上がった。

 新しいヒーローが誕生したからだ。6本のホームランを放ち、1大会個人最多本塁打記録を32年ぶりに更新した中村奨成捕手(広陵)である。

 だが、今年の高校球界の象徴として語り継がれるのは、清宮選手の方ではないかと思う。

 1年生から注目され、けた外れの飛距離と、人なつっこい童顔で「和製ベーブ・ルース」と呼ばれた。

 地方大会や練習試合にも観客がつめかける人気で、期待に応えて高校通算本塁打記録を達成した。

     ◇

 40代後半で早世したスポーツノンフィクション作家、山際淳司さんに「清原暦-個人史の中の座標軸」と題する一文がある。

 山際さんは「ルーキー」という本の取材で、高校野球をやっていた若者たちに会った。そして一章を、あの「清原和博」と、野球というゲームを通じてクロスした高校生たちのことを書くために割いた。

 「清原に打ち込まれたピッチャーがいる。その打球を、空を仰いで何度も見送った外野手もいる。そしてこのバッターを三球三振にうちとったことで知られるようになったピッチャーたち…。そこで行われたのはたかが野球の『ゲーム』でしかないのだが、興味深いのはそのゲームの一つひとつの場面がかれらの内的風景を構成するそれなりに重要な要素になっているように思われたことだった」

     ◇

 現場で取材した昭和60(1985)年の夏の高校野球を思い出す。

 話題をさらったのは、連続5回の甲子園出場で、3年生になって最後の大会の、PL学園(大阪)の清原和博内野手と桑田真澄投手の「KKコンビ」だった。

 なかでも清原選手は、1年生から4番に座り、高校生ばなれした長打力は“怪物”と称された。この大会でも準決勝、決勝でともに2打席連続ホームランを放ち、計5本。2年ぶりの優勝の立役者になった。

 それが中村選手に破られた1大会個人最多本塁打記録だった。それでも甲子園通算13本、夏の大会だけで9本という大記録は、おそらく誰も手が届かないだろう。

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