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【高見国生の認知症だより(13)】そっくり忘れて「食べてない」

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【高見国生の認知症だより(13)】
そっくり忘れて「食べてない」

京都府立医科大神経内科の講座で認知症の女性(79)が描いた「エリンギ」。エリンギの周りにある隙間の形に注目しながら、石膏板に描いた(「京都<臨床美術>をすすめる会」提供) 京都府立医科大神経内科の講座で認知症の女性(79)が描いた「エリンギ」。エリンギの周りにある隙間の形に注目しながら、石膏板に描いた(「京都<臨床美術>をすすめる会」提供)

 認知症の人が、さっきしたことを「私はしていない」と言うのは、経験したことをそっくり忘れるという認知症の人の物忘れの特徴なのです。

 私たちの物忘れは、例えば見た映画の題名を忘れるように、経験したことの一部を忘れるだけですから、ヒントを言ってもらえば思い出すことができます。ところが認知症の人は映画を見たこと自体を忘れるから、題名を言っても「私はそんな映画は見ていない」と言います。体験したことをそっくり忘れているから、ヒントを言ってもらっても思い出すことはありません。

 よくある、「まだご飯を食べていない」も、本人は嘘をついているのではなく、全く身に覚えがないからそう言うのです。全く覚えがない時は、「していない」と言うのが普通なのです。

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