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【痛み学入門講座】痛みは医療の原点…理解されない悩める患者を救う「ペインクリニック」我慢は美徳ではない

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【痛み学入門講座】
痛みは医療の原点…理解されない悩める患者を救う「ペインクリニック」我慢は美徳ではない

 「痛み」は厄介(やっかい)だ。ごく身近で日常の問題である。頭痛、腰痛、生理痛、寝違えによる首の痛み…。痛みを経験したことがない人はまずいない。本人にしか分からない主観的な感覚で、それをつらいと思うことには感情(情動)も伴う。だから厄介なのだ。痛みがあっても、周囲、さらには医者にさえ理解してもらえず、独りぼっちで戦っている人も多いはずである。

 書店には医療や健康を扱った本が並ぶ。痛みに関するものも多く、「痛みは消える」「痛みよ、さらば」等々。ただ、痛みを完全に取り去ることは可能か。あるいは痛みは無くしてよいものなのか。これらをていねいに書いた本は決して多くない。誤った情報に振り回され、何科を受診したらいいのか右往左往し、ドクターショッピングを繰り返す人もいる。

 哲学者で偉大な生物学者だったアリストテレスは、「痛みは魂を強くする」と言った。彼にすれば、痛みは必然の産物に他ならなかった。現代医療でも、痛みを病気の症状のひとつにすぎないとの考えが残っている。加えて、わが国には我慢を美徳とする風潮が根強くあり、少々の痛みで受診をためらう人も多い。一方で「検査で異常がないのだから、気のせいでは…」と医者から相手にされなかったという経験談も聞く。

 しかし、痛みが激しくなれば、身体を動かすこともままならず、人間性を失ってしまうことさえある。不安になり怒りやすくなり、他人への気配りを忘れたりもする。痛みは本人だけでなく、周囲も憂鬱にしてしまうのだ。だから我慢するのは決して美徳ではなく、「魂を強くする」ことにもなり得ないと考える。

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