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【水中考古学へのいざない(16)】英国王の旗艦メアリー・ローズ号 威信かけた437年目の帰還

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【水中考古学へのいざない(16)】
英国王の旗艦メアリー・ローズ号 威信かけた437年目の帰還

エアダクトを使い乾燥中のメアリー・ローズ号(筆者撮影) エアダクトを使い乾燥中のメアリー・ローズ号(筆者撮影)

 イギリス国王ヘンリー8世の旗艦「メアリー・ローズ号」が1545年、英ポーツマス港沖のソレント海峡に沈んだ。チャールズ皇太子を総裁とする財団が引き上げを計画し、沈没から437年目に浮上した。その姿を一目見ようと2015年7月、ロンドンから列車を乗り継ぎ、メアリー・ローズ号を収容する博物館のあるポーツマス・ハーバー駅に降り立った。

 †皇太子自ら潜水

 「いよいよお目当てのメアリー・ローズ号にあえる。彼女はいま、どんな姿で私を迎えてくれるのだろう」

 船に沿った薄明かりの見学通路から、ガラス窓越しに見たのは、紛れもなくメアリー・ローズ号そのものだった。ポリエチレン・グリコール(PEG)という特殊な溶剤で黒々と輝く船体からは、彼女の息づかいが伝わってくるように思え、熱いものがこみあげてくる。「ワーオ!! 途方もなく大きい」。それが第一印象だった。

 メアリー・ローズ号は全長45メートル。91門の強力な火砲を搭載した英国初の軍艦。ところが1545年、ポーツマス港沖のソレント海峡で英国侵攻をもくろむ仏艦隊と戦闘を開始した直後に突如右舷に傾き、またたく間に海中に沈んでいった。乗組員のほとんどが脱出できず、指揮官のジョージ・カルー卿をはじめ、650人以上が犠牲になった。沈没の原因は、下甲板に新式の巨砲を積み込み、定員をはるかに超える兵員が乗っていたため、船がトップヘビーの状態になったうえに、何らかの操船ミスが重なったと推測された。

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