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【正木利和の審美眼を磨く】美の使徒・魯山人が美しく刻んだ蘇軾へのオマージュ

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【正木利和の審美眼を磨く】
美の使徒・魯山人が美しく刻んだ蘇軾へのオマージュ

北大路魯山人「刻字屏風 赤壁賦」何必館・京都現代美術館蔵 北大路魯山人「刻字屏風 赤壁賦」何必館・京都現代美術館蔵

 北大路魯山人(1883~1959年)の「書」は「陶」に負けず劣らずよい。

 もともと、「書」と「篆刻(てんこく)」でその名を知られるようになったのだから当然かもしれないが、なかでも豪放な大字のものが魯山人らしい。

 ずっとそう思ってきたが、小字もまたうまい、と改めて思い知らされたのが、1914年に書かれた「刻字屏風(びょうぶ) 赤壁賦」を、京都市の何必館・京都現代美術館( http://www.kahitsukan.or.jp/ )で梶川芳友館長に見せてもらったときのことだ。

 「赤壁賦」は宋時代の政治家で書家、詩人でもあった蘇軾(1036~1101年)の詩文の代表作である。それを、魯山人は群青と白い胡粉(ごふん)をまぜてまだらにした板に彫り込み、彫った文字をもう一度、白い胡粉でなぞって見事な作品にしあげてみせた。

 先日、Eテレの日曜美術館で、女優の樹木希林さんが魯山人の作品について語っていた。そこに映っていたので、見た人もいるかもしれないが、鋼のような強さに端正さをあわせもった美しい文字である。

 いま、何必館で開催されている「北大路魯山人展-和の美を問う-」(9月24日まで)でも出展されている。

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 蘇軾の書を意識して見るようになったのは、敬愛する南画家で書家でもある富岡鉄斎(1836~1924年)が、自分と誕生日が同じということで「東坡(とうば)同日生」という印までつくり、多くの肖像画を残すほど傾倒していたことを知ってからだ。

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