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【西論】広島・長崎「原爆の日」 北朝鮮危機と72年前の符合

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【西論】
広島・長崎「原爆の日」 北朝鮮危機と72年前の符合

2016年5月27日、原爆ドームを背に演説するオバマ米大統領(当時)=広島市の平和記念公園 2016年5月27日、原爆ドームを背に演説するオバマ米大統領(当時)=広島市の平和記念公園

 ◆共産主義の影響

 容共傾向の強かったルーズベルトが1933年にソ連との外交樹立に踏み切ったことで、アメリカ国内、さらには政府内にソ連と通じた共産主義者=スパイの浸透を許したと批判し、世界革命のため戦争も利用しようとした彼らがアメリカのその後の政策を誤らせ、やがては共産中国の誕生や朝鮮戦争を招いたとも指摘している。

 日本にとって重要なのは、ルーズベルト政権内に潜伏した共産主義者らが、日米が戦争回避に向けて1941年11月にぎりぎりの交渉を行っていた際、日本が受け入れ可能とみられていた協定案をつぶしたという疑惑を記述していることだ。ここでフーバーが名前を挙げた大統領補佐官、ロークリン・カリーは、近年の機密文書公開で、ソ連のスパイだったことが裏付けられている。

 ◆なぜ原爆は投下されたか

 『裏切られた自由』でフーバーは、日本への2発の原爆投下についても「日本は繰り返し、和平を求める意向を、示していた。原爆投下は、(中略)アメリカ人の良心を永遠に責め苛(さいな)む」と批判し、「日本の降伏はすでに決定的で原爆投下は不要だった」という当時の軍幹部や政治家たちの発言を列挙している。これも、現在のアメリカ世論の多数が支持する「戦争終結を早め、多くのアメリカ将兵の命を救った」という原爆投下正当論を否定する議論だ。

 『原爆投下をめぐるアメリカ政治』(法律文化社)を今年2月に刊行した大阪大学大学院の山田康博教授によれば、アメリカが原爆投下を最終的に決定した要因は対ソ連関係だという研究が無視できなくなっているという。山田教授自身も、「ソ連の参戦前に日本を降伏させるため」「ソ連に対して優位に立つため」という理由には疑問符がつくとしながらも、投下都市の選定にあたって日本世論が親ソ反米にならないよう考慮していた点を挙げ、「原爆の対日使用における『ソ連要因』は存在していた」と結論づけている。原爆投下にも、「共産主義」は影を落としていたのだ。

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