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【鹿間孝一のなにわ逍遙】ひと夏の冒険が思い出と成長をくれた

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【鹿間孝一のなにわ逍遙】
ひと夏の冒険が思い出と成長をくれた

 遠い夏休みの思い出を書く。

 北海道の田舎町で、戦争中、米軍機による空襲を受けた。陸軍の軍馬養成所があったためらしい。

 被害はそれほどなかったが、町中総出で防空壕(ごう)を掘った。その後は空襲はなく、役に立たなかったが。

 その一つが神社の近くの山にあった。危ないから入ってはいけないと言われていたが、小学生の頃、友達数人と探検に出かけた。

 穴は子供でも背を屈めなければならないほど狭く、奥はけっこう深かった。入り口が雑草に覆われているので、日光が入らず、暗かった。ひんやり、湿っていた。

 ささやかな冒険だったが、あとで自慢していると、親にこっぴどく叱られた。

     ◇

 先月末、愛知県春日井市で、廃虚となった旅館に肝試しをする目的で立ち入った男子高校生9人が、軽犯罪法違反容疑で書類送検されたというニュースがあった。

 この旅館は平成15(2003)年に破産した後、窓ガラスが割れるなど荒れ果てて、近隣住民から不審火や不法侵入の通報が相次いでいた。このため、市が貼り紙を設置して、立ち入り禁止にしていた。

 一方で5年前に白骨死体が見つかったこともあって、「心霊スポット」として有名になり、インターネット上で紹介されていたという。

 9人はネットで肝試しできる場所を調べ、電車でやって来たらしい。

 確かに無断で立ち入るのはよくないが、冒険心は理解できる。

     ◇

 子供たちのひと夏の冒険といえば、スティーヴン・キング原作の映画「スタンド・バイ・ミー」が思い浮かぶ。

 1950年代末、米オレゴン州の小さな町に住む4人の少年が、森の奥に列車にはねられた少年の死体があるという噂を聞き、探しに出かける。

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