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【衝撃事件の核心】運送業界〝闇制度〟のカラクリ 「運転すればするほど収入に」過労運転、重大事故の温床に捜査のメス

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【衝撃事件の核心】
運送業界〝闇制度〟のカラクリ 「運転すればするほど収入に」過労運転、重大事故の温床に捜査のメス

「個人償却制」と呼ばれる仕組み。運転手が売り上げからあらゆる経費を自己負担する代わりに、客から支払われる運送料の大半が収入となる 「個人償却制」と呼ばれる仕組み。運転手が売り上げからあらゆる経費を自己負担する代わりに、客から支払われる運送料の大半が収入となる

 業界関係者は「雇う側も運転手側もこんな大きなメリットを見過ごすことはできず、個人償却制が事実上の〝白トラ〟であるという認識があっても続けてしまっている」と打ち明ける。

 個人償却制による仕事を求める運転手は少なくないようだ。今回の事件でも、インターネット上で「個人償却制」をうたった求人広告を堂々と出していたことが、発覚の端緒となった。

長時間運転、過労の恐れ

 警察当局が危機感を強めるのには理由がある。

 個人償却制を採用することで、運転手は自身の裁量で仕事量を調整できることになり、会社側の労務管理の対象から事実上外れることになる。つまり、働けば働くほど収入になるという背景から、過労運転を招きやすく、大事故につながりかねないというわけだ。

 長時間勤務に起因するとみられる過労運転による事故は、全国で後を絶たない。

 昨年3月、広島県東広島市の山陽自動車道下り線のトンネル内で渋滞の列にトラックが追突し、2人が死亡、60人以上が救急搬送された事故では、広島県警が運転手に過労運転をさせた道交法違反(過労運転下命)容疑で、埼玉県の運送会社の40代男性役員を逮捕した。神奈川県の運送会社の大阪営業所のトラックが平成27年8月、浜松市で車列に突っ込み6人が死傷した事故でも、大阪西労働基準監督署が、運転手に違法な長時間労働をさせたとして、労働基準法違反の疑いで運送会社の50代社長らを書類送検している。

 今回のケースでも、1日に12時間以上運転している運転手がいたという。捜査幹部は「重大な事故を起こしてからでは遅い」と危機感を強める。

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