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【関西プチ遺産】海と川とが融合した「河内祭」は、一見の価値あり

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【関西プチ遺産】
海と川とが融合した「河内祭」は、一見の価値あり

ご神体を船に乗せて川を遡る河内祭 ご神体を船に乗せて川を遡る河内祭

 古座川河口の古座神社(和歌山県串本町)で祀(まつ)られている河内(こうち)神社のご神体を、3キロ程上流の川中の小島で、元に鎮座していた河内島までお遷しする祭礼。地元で「こおったまさま」と呼ばれる河内様が、河内島のご神体である。

 古座川を遡(さかのぼ)るので、ご神体は船に乗って運ばれる。ご神体が乗る船は、御舟(みふね)と呼ばれる。捕鯨で栄えた土地らしく、3艘(そう)の鯨船が王朝風絵巻の旗などで美しく飾られ御舟となる。御舟が主役のようになるので、河内祭は御舟祭とも称される。

 河内島には社殿はなく、島自体がご神体とされ、御舟が着岸すると代表者が島に登り、清い海水と酒を供えて拝礼するという。

 日が沈み暗くなると、3艘の御舟はそれぞれに右回りに神様の島を3周する。舟からは神様の声のような舟歌が聞こえてくる。見物している私は、自分の魂が、神宿る向かいの島へ吸い寄せられるような心持ちだった。

 御舟は島の前の河原で夜籠りをする。翌日には地域の人たちによって、古くから伝わる獅子舞が奉納される。

 源平合戦の際、源氏方として参戦した熊野水軍が、戦勝祈願と凱旋(がいせん)報告をしたことがこの祭の起源であるとされる。一方、河内様は蛇で、下流の九龍島(くろしま=黒島)に住む鯛と恋仲になり、年に一回、下流の鯛が御舟に乗り、河内様に会いに行ったのが起源との伝えもある。

 祭の起源解明はさておき、今年2017(平成29)年は7月22、23日に祭が斎行された。海と川とが融合したような河内祭。一見されることをお勧めする。(伊藤純)

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