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【九州北部豪雨】「早く遺族へ」の思い支えに…「身元特定」続けた警察官 熊本地震や東日本大震災の経験も生かし

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【九州北部豪雨】
「早く遺族へ」の思い支えに…「身元特定」続けた警察官 熊本地震や東日本大震災の経験も生かし

福岡県警捜査1課の古江昌親検視官室長 福岡県警捜査1課の古江昌親検視官室長

 九州北部の豪雨では土砂崩れなどに巻き込まれ計35人が死亡した。うち32人が犠牲となった福岡県では、30人以上の警察官が身元特定作業に関わった。通院先が分かる記録や顔写真といった作業に必要な資料が流されるなど難航することもあり、指揮した県警捜査1課の古江昌親検視官室長(54)は「早く遺族の元へ戻したいという思いを支えにした」と振り返った。

 豪雨発生後、県警は各部署から応援の警察官を現地に集め夜間対応もできる態勢を取った。遺体が見つかれば、法医学者と一緒に死因を調べ、身元特定の作業に入る。遺体の損傷が激しい場合はDNA型鑑定が中心となるが、家ごと流され避難した家族と連絡が付きにくい場合、DNA試料の受け取りが遅れることも。特定には通常より時間がかかることが多かった。

 被害の大きかった地域では血縁関係のある人同士が不明になっているケースもあり、型の似た人と間違えることのないよう、体の特徴や治療痕などを詳細に調べた。古江氏は「早くご遺体を戻したいと思いつつ、取り違えがあってはならないと慎重に進めた」と当時の葛藤を明かす。

 東日本大震災や熊本地震の応援に入った警察官の経験も生かすようにした。遺体は泥を丁寧に拭い、きれいな状態にして遺族と対面してもらうよう心掛けた。

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