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【弁護士会 矛盾の痕跡(4)】革命闘争「荒れる法廷」には甘い顔 日弁連がさらした弁護士自治の無力…過激派側弁護士を〝野放し〟

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【弁護士会 矛盾の痕跡(4)】
革命闘争「荒れる法廷」には甘い顔 日弁連がさらした弁護士自治の無力…過激派側弁護士を〝野放し〟

東大安田講堂事件、さらに連合赤軍事件、連続企業爆破事件…。社会を揺るがせた不法な反権力闘争は法廷に持ち込まれ、裁判遅延を目的に不出頭、退廷を繰り返す「荒れる法廷」が横行した。日本弁護士連合会の「弁護士自治」の無力さを社会にさらすことにも― 東大安田講堂事件、さらに連合赤軍事件、連続企業爆破事件…。社会を揺るがせた不法な反権力闘争は法廷に持ち込まれ、裁判遅延を目的に不出頭、退廷を繰り返す「荒れる法廷」が横行した。日本弁護士連合会の「弁護士自治」の無力さを社会にさらすことにも―

 業を煮やした地裁は「伝家の宝刀」を抜く。刑事訴訟法286条の2。被告が正当な理由なく出頭を拒否し、看守らも連れ出せないときは本人不在で公判を進めることができる。欠席裁判を可能にする異例の規定が東大事件で多用された。

日弁連「自発的善処を切望する」

 司法の異常事態に、地裁判事だった礒辺衛(まもる)は法律雑誌「ジュリスト」(有斐閣)でこう論陣を張った。「裁判史上東大事件弁護団ほど実のある弁護活動(実質的な主張立証)を全く何もしなかったものはない。空前にして絶後であろう」

 日弁連も44年9月、ついに阿部甚吉会長名の談話を発表せざるを得なかった。

 《弁護人諸君、諸君の行動は在野法曹全体の信用にもかかわるものである。(中略)諸君の速やかなる自発的善処を切望する》

 東大弁護団は「日弁連が最高裁の圧力に屈した」(葉山)と意に介さなかったが、同時に、会員の懲戒権を有するはずの日弁連の弁護士自治の無力さもまた、世間にさらした。

 葉山によれば、後に日弁連は、裁判長から退廷命令を連発された弁護士に対しては業務停止などとした。ただ東大事件以降、連合赤軍事件や連続企業爆破事件などの過激派裁判でも同じような闘争が繰り返されながら、過激派側の弁護士はほぼ〝野放し〟だった。

 やむなく法務省は53年、過激派裁判の正常化に向け弁護人抜きでも審理が進められる「弁護人抜き特例法案」を上程する。当時の最高裁長官は初の検察官出身の岡原昌男。法案に賛意を示し、「日弁連は問題のあった弁護士の懲戒問題もウヤムヤにしている」と異例の発言で波紋を広げた(講談社プラスアルファ文庫「最高裁物語」)。

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