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【九州北部豪雨】これは現実か 未曾有の豪雨被害、「故郷なくなった」あきらめの声も…被災地を取材して

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【九州北部豪雨】
これは現実か 未曾有の豪雨被害、「故郷なくなった」あきらめの声も…被災地を取材して

道路が崩れ、死者や行方不明者が出た集落にはたどり着けなかった=12日、福岡県朝倉市 道路が崩れ、死者や行方不明者が出た集落にはたどり着けなかった=12日、福岡県朝倉市

 「もう諦めてるの」。女性は話した。濁流が襲う約1時間前、強い雨を心配し、自分の家に避難するよう電話で促したが、母は「大丈夫よ」と話したという。その後母の行方は分からなくなり、14日午後5時の時点で不明のままだ。

 その集落は、女性が生まれ育った場所だったという。「自慢の母だったの。でも、母も故郷もなくなってしまった」。そのとき、終始笑顔を絶やさなかった女性の瞳が濡(ぬ)れていることに気付いた。

 今回、取材に訪れた地区では、高齢の住民から「こんな雨も被害も初めてのことだ」-という言葉を何度も聞いた。避難できた人に「どうして助かったのか」と聞いても、「たまたま出かけていた」「間一髪だった」という答えが返ってきた。中には、「山間部に住んでいると、行政の避難情報が出たときには既に遅い」という声も聞いた。

 今回の豪雨災害を忘れることなく、何を教訓として得られるのか、人々の命や、避難者の健康を守るためには何が必要なのか、多くの人が考え続けていかなければならない。

 「もう前の所には戻れないだろう」。避難している人たちの間からは、諦めたかのような言葉が漏れた。報道する立場として何ができるのか、これからも考えていきたい。

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