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【水中考古学へのいざない(15)】航海1300メートル、あっけなく 世界一短命の戦艦は…

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【水中考古学へのいざない(15)】
航海1300メートル、あっけなく 世界一短命の戦艦は…

 北欧スウェーデンの首都ストックホルムは、白夜の国の水の都。1628年、そのストックホルム港から戦艦バーサ号が処女航海に旅立った。全長69メートル、上下2列64門の青銅製の巨砲を備え、船体は金鍍金(めっき)が施された彫刻で飾られていた。雄姿はバルト海を制圧する威力を十分に備え、スウェーデン王国の栄光の歴史を担うはずだった。が、海上をわずか1300メートル進んだところで、突如強風にあおられて左に傾くと、あっという間に34メートル下の海底に消えていった。

†333年ぶりに雄姿

 バーサ号の引き上げ作業は、スウェーデン海軍などが試みたが、いずれも失敗に終わった。その後、54門の青銅製大砲が引き上げられたものの、バーサ号の存在は次第に忘れられていった。

 時を経て1956年。スウェーデンの技師、アンデルス・フランセンによって、この歴史的な船の再発見がなされた。58年に引き上げ作業計画が決定。海底の泥土の中に沈むバーサ号の下にケーブルをくぐらせ、引き上げようとした。61年、砲門や船体に開いた穴をふさいで水が入らないようにし、ポンプで艦内の水を排出。サルベージ船がケーブルを引くと、バーサ号は海面に浮上、333年ぶりに眠りから覚めた。

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