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【午後のつぶやき 大崎善生】藤井フィーバー巡礼の旅-「聖地」会館前の神社で故村山聖を想う 最後に見た彼は神社の闇に消えていった

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【午後のつぶやき 大崎善生】
藤井フィーバー巡礼の旅-「聖地」会館前の神社で故村山聖を想う 最後に見た彼は神社の闇に消えていった

 7月6日に大阪の関西将棋会館で行われたC級2組順位戦で、藤井聡太四段が中田功七段を下し30勝目を上げた。現時点で31勝1敗、順位戦は2連勝である。ご自宅で藤井君に会ったときにはまだ順位戦初対局前で、持ち時間がたっぷりある順位戦を指すのが楽しみだと言っていた。その言葉通りの好スタートとなっている。

 藤井フィーバーの余波はまだまだ続いていて、東京の将棋会館付近はもはや、観光地と化してしまっているそうだ。藤井君がよく出前をとる「みろく庵」というそば屋がそのひとつ。そこで藤井君が食べたキムチうどんやカレーうどん定食を食べようというもの。てんやわんやの大忙しで、ついには営業中に材料の買い出しに走らざるを得なくなることもあるという。私も将棋連盟の職員時代にはよく行った。といっても夜の居酒屋部門である。

 それから巡礼の旅は、鳩森八幡神社へ。ここには将棋堂という立派なお堂が建てられていて、そこで一礼。将棋堂のまわりには子供たちが書いた絵馬がびっしりとつるされている。

「今年中に初段になりたい」「奨励会に行きたい」「もっと将棋が強くなりたい」。私はそこに行くといつも絵馬を一枚一枚眺めて歩く。純粋で切なる思いに、心が洗われる。思えば今から19年前、私は夭折の天才棋士、村山聖とここで別れた。夜この神社の闇の中へ吸い込まれるように消えていったのが最後の姿だった。

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