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【再生医療が描く未来(4)】欧州で特許「防衛戦」に勝利 鍵本忠尚ヘリオス社長

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【再生医療が描く未来(4)】
欧州で特許「防衛戦」に勝利 鍵本忠尚ヘリオス社長

1社目のベンチャー企業の経営者時代、特許訴訟に勝って弁護士らとお祝いをする鍵本さん(右端)=本人提供 1社目のベンチャー企業の経営者時代、特許訴訟に勝って弁護士らとお祝いをする鍵本さん(右端)=本人提供

 再生医療の実用化を目指し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った医薬品の開発で注目を集めるベンチャー企業「ヘリオス」を率いる。眼科医として臨床現場に立った経験で芽生えた「患者の希望となる薬を作り、届けたい」という思いが起業につながった。その熱意が次世代の医療を切り開いていく。

失敗、そして訴訟

 --平成17年、「薬を患者に届ける」ことを目標に起業されました

 鍵本「実は何を製品にするかも決まっておらず、会社ありきで起業しました。出身大学である九州大医学部や近くの大学が持っていた技術をビジネスにつなげることになりました」

 --その技術のひとつ、白内障などの眼科手術に使われる染色剤は欧州で商品化されました

 鍵本「まずは治験(臨床試験)を米国とインドで行いました。いきなり米国だったのは、かかる費用は日本とそんなに変わらないのに、市場規模が世界の5割を占め、10分の1しかない日本より大きいのが理由です。インドは白内障の患者が多かったからです。米国での治験は有効でした」

 --順調にいきましたか

 鍵本「いえ、残念ながら。製造委託をしていた会社が安定性試験で大きな失敗をしてしまった。やり直すにはもう一度資金調達をしなければならない。一度、米国での製造をあきらめざるを得ませんでした。そんなときに欧州で提携会社が見つかり、製品化にこぎ着けた。ところがドイツの企業から特許は無効だと訴訟を起こされたんです」

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