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【井崎脩五郎のおもしろ競馬学】
「オキノシマ」と馬のゆかりは?
沖にあるから「沖ノ島」。
極めて簡素な名前を付けられた福岡県の沖ノ島が、世界文化遺産に登録されることが決まった。
このニュースを喜んでいる人は多いはず。なぜかというと、同名の「沖ノ島」が日本中にあるからだ。いつぞや、淡路島を旅行したときに、鳴門海峡の方角に見えたのが沖ノ島だったし、千葉県の館山湾にも沖ノ島があった。
今、『ホームアトラス日本列島』(日本リーダーズダイジェスト社)で調べてみたら、他にも、和歌山県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、鹿児島県などに沖ノ島がある。
福岡県の沖ノ島には入島できないが、和歌山県の沖ノ島には展望台ありと地図にあるから、案外、便乗商法でツアーを組んだら、「沖ノ島へ行ってきた」と言いたい人で大盛況になったりしてなあ。
世界文化遺産に登録された沖ノ島は、馬と無関係かというと、じつはさにあらず。
近刊の『沖ノ島 神坐(いま)す「海の正倉院」』(藤原新也/小学館)をめくったら、冒頭に、銅に金メッキした、いわゆる金銅(こんどう)製の馬の飾り金具がカラーで紹介されていたのだ。極めて手が込んでおり、おそらくは大陸からの伝来品ではないだろうか。