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【田辺三菱製薬の祖「天命」田邊屋五兵衞(1)】「時代は洋薬や!」 激変の世、迷わず決断

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【田辺三菱製薬の祖「天命」田邊屋五兵衞(1)】
「時代は洋薬や!」 激変の世、迷わず決断

「時代は洋薬や!」十二代当主、田邊五兵衞の決断力は、戦国時代の豪商・田邊屋又左衞門にさかのぼる 「時代は洋薬や!」十二代当主、田邊五兵衞の決断力は、戦国時代の豪商・田邊屋又左衞門にさかのぼる

 その時代を見る目は、田邊家の祖、戦国時代の豪商・田邊屋又左衞門にさかのぼる。朱印船貿易を手がけ、ルソン(現在のフィリピン)などに渡航して莫大(ばくだい)な富を築いた人物だ。

 明治政府は殖産興業で経済再建を図り、大阪府も明治5年に株仲間の解散を通達、商社の設立を推奨していた。もはや特権の上にあぐらをかく時代は過ぎ去ったのである。迷っている時間はない。五兵衞は契約金として手元にあるだけの資金をかき集めて叫んだ。

 「人力車や! 神戸へ急いでんか!」

     ◇

 大阪・道修町の老舗、田辺三菱製薬は、江戸時代の延宝6(1678)年に初代田邊屋五兵衞が創業した。大手では日本最古の製薬会社である。幕末から明治維新の激変期に近代化を図り、先の大戦で工場が壊滅的な被害を受けるなど、時代の荒波を幾度も乗り越えて現在に至る。開拓精神と、薬による社会貢献を社是に挑戦し続けた三百有余年の壮大なドラマを、創業家である歴代田邊五兵衞の生涯に追った。(山上直子)   =(2)に続く(産経新聞で連載中。申し込みページは https://o-sankei-hanbai.com/ )

▼【田邊屋五兵衞(2)】祖先は朱印船貿易商 医薬品輸入の先駆け

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