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「ヘイトスピーチ」条例1年-大阪市、誹謗ネット動画4件認定も実名特定できず 開示義務化へ改正検討も法的なハードル高く…

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「ヘイトスピーチ」条例1年-大阪市、誹謗ネット動画4件認定も実名特定できず 開示義務化へ改正検討も法的なハードル高く…

街宣を行おうとする右派系団体と、それに抗議する反対派のメンバーたち=平成28年9月11日、大阪市中央区 街宣を行おうとする右派系団体と、それに抗議する反対派のメンバーたち=平成28年9月11日、大阪市中央区

 ヘイトスピーチ(憎悪表現)を規制する全国初の条例を大阪市が全面施行してから7月1日で1年を迎える。市はこれまで被害申し立てがあったインターネットの動画4件をヘイトに認定したが、投稿者の実名は特定できていない。吉村洋文市長はネット事業者に実名の開示を義務づける条例改正を目指しているが、「通信の秘密」の制約など法的なハードルは高く、新たな課題として浮上している。(杉侑里香)

現状のルールではこれが限界 ユーザー名にとどまる

 「今のルールでは、この措置が限界です」

 吉村市長の表情は晴れなかった。6月1日、ヘイトスピーチと認定した動画の内容などを初めて公表したが、投稿者名は実名ではなく、動画投稿サイト「ニコニコ動画」の「ダイナモ」「yuu1」というユーザー名にとどまったからだ。

 条例は国のヘイトスピーチ解消法に先駆けて昨年1月に成立。7月に被害申し出の受け付けを開始し、有識者でつくる審査会への諮問を経て認定の可否を判断している。解消法には罰則規定はないが、条例はヘイトスピーチと認定すれば活動団体や個人の名前を公表できるとしている点が大きな特徴だ。

 市はこれまで、在日韓国・朝鮮人を誹謗(ひぼう)中傷する動画4件を認定し、サイト運営会社を通じて投稿者に氏名などを自主的に提供するよう要請した。しかし、投稿者が拒否したり運営会社が仲介を拒んだりしたため、いずれも特定はできなかった。

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