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【田淵幸一物語・第4部(21)】抱き合った星野と田淵

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【田淵幸一物語・第4部(21)】
抱き合った星野と田淵

18年ぶりのリーグ優勝を決め星野監督と抱き合う田淵コーチ(88) 18年ぶりのリーグ優勝を決め星野監督と抱き合う田淵コーチ(88)

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 星野と田淵がコンビを組んで2年目の平成15年、阪神は18年ぶりのリーグ優勝を果たした。開幕直後から首位を独走。7月終了時点で2位・中日に17.5ゲーム差。その勢いは最後まで衰えず、最終成績87勝51敗2分。中日に14.5差をつけるぶっちぎりの優勝だった。

 9月15日、超満員の甲子園球場。星野監督の胴上げの後、大観衆が見守る中で2人は抱き合った。背番号「88」、田淵の大きな背中が小刻みに震えている。その背中を優しくポンポンと叩(たた)く星野監督の顔もまた涙で濡れていた。

 《やっぱり、これでよかったんや》と筆者は不覚にも、もらい泣き。

 田淵が星野を「胴上げしたい」と初めて意識したのは、平成11年9月30日の神宮球場。中日・星野監督が9年1月に亡くなった扶沙子夫人の写真をユニホームのポケットに忍ばせ、胴上げされた日-だったという。

 その日、田淵は「友人」の一人としてスタンドで観戦していた。

 「感動した。涙が出た。自分もあの輪の中に入り、タイガースのユニホームを着た仙ちゃんを胴上げしたいと思ったんだ」

 --なんで、胴上げの主が星野で田淵じゃないんです?

 「おれの中でタイガースを再建できるのは星野という男しかいない-と確信していたからだと思う。もちろん、阪神のOBとしてどうすれば、低迷から後輩たちを救えるのかと考えたことはある。でも、最後に『その力がお前にあるのか?』と自問自答したとき、答えは『NO』だった」

 人間には「器」があり、その大きさは決まっている。そのことを田淵に教えたのはプロゴルファーの「ジャンボ」こと親友の尾崎将司だった。

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