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令状なしGPS捜査は「違法」 奈良地裁葛城支部、一部証拠を排除し窃盗被告に実刑判決

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令状なしGPS捜査は「違法」 奈良地裁葛城支部、一部証拠を排除し窃盗被告に実刑判決

 裁判所の令状なく衛星利用測位システム(GPS)を使った奈良県警の捜査の是非が争われたトラクター連続窃盗事件の判決で、奈良地裁葛城支部(奥田哲也裁判長)は19日、GPSによって得た一部の証拠を違法として排除した上で、大阪府岸和田市の無職の男(67)に懲役3年(求刑懲役4年)を言い渡した。

 最高裁は3月、令状を得ずにGPSを使用した捜査を違法と初判断し、5月の東京地裁判決も踏襲。奥田裁判長も同様に「プライバシーを侵害し、刑事訴訟法上の強制処分に当たる。令状なしで実施したのは違法だ」と述べた。ただ、GPSの使用とは直接的な関係がない証拠に基づいて有罪と認定し、弁護側の無罪主張は退けた。

 判決によると、男は平成26年12月、和歌山県紀の川市と大阪府岸和田市でそれぞれトラクターを盗んだ。

 周辺では同種の事件が相次いでおり、県警の捜査員が男の行動確認のため、トラクターの運搬などに使ったレンタカーのトラックに私物のGPS端末を装着。県警内部の手続きに反し、事前の承認などを経ることなく使用されていた。

 奥田裁判長は一連の捜査を「違法の程度が重大と評価されてもやむを得ない」と批判した。

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