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【虎のソナタ】仙さんは舌を巻いていた? 楽天を追い詰めた「最後の5分間」

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【虎のソナタ】
仙さんは舌を巻いていた? 楽天を追い詰めた「最後の5分間」

九回、レフトへの飛球がファウルとなり、悔しがる阪神の俊介=阪神甲子園球場(撮影・岩川晋也) 九回、レフトへの飛球がファウルとなり、悔しがる阪神の俊介=阪神甲子園球場(撮影・岩川晋也)

 「戦いは最後の5分間にある」と言ったのはナポレオンです。

 要するに戦争ではどちらも同じように苦しいのだ。ただ、相手より5分間だけ持ちこたえられれば勝利はこちらに転がってくる…と。

 甲子園は九回二死となっても4万6749人という前日よりも761人も多い満員のファンは、大げさに言えば誰一人として帰らなかった。

 タッタ1点…。

 されど1点…。

 しかしこの1点は今シーズンの阪神と楽天の背負った十字架。それと楽天副会長、星野仙一の甲子園へのノスタルジーと自らが強引に阪神に引っこ抜いた男・金本知憲への微妙な思いもあった。FAで迷っていた金本に「何をグズグズしてる。黙ってこい」と強引に親友、山本浩二監督の広島から“略奪”した。そして2015年暮れには阪神監督就任を要請されて逡巡していた金本の背中をゴンと蹴飛ばすように“押した”のも星野仙一の熱情だった。

 「勝たせる監督になる」。15年10月19日に金本はそう言って第33代阪神監督になった。

 しかし…この日はもう“ケリ”がついていた。九回二死走者なし…しかもマウンドは抑えの切り札・松井裕樹だ。誰がどうみても阪神の命脈はつきていた。が、そこからはこの試合の“初顔”ばかりが続いて「挑む」のだ。

 代打大和が中前打。梅野の代打に糸井。そうだまだ糸井がいた。ヒットで一、三塁だ。代走は荒木…。そして代打は俊介…松井の童顔から残忍さが消える。荒木盗塁…二、三塁となる。「最後の5分」に金本阪神はヒタヒタと星野楽天の首スジに迫っていた。

 イフ・エニィ(もし…ならば…)は勝負事に許されないが、俊介の大ファウルが左翼ポールをまいていたら…。

 金本阪神は2年目でもうこんなところまで来たことに星野さんは内心で舌を巻いたと見る。

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