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【田淵幸一物語・第4部(9)】監督を落とせなかった「いい男」たち

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【田淵幸一物語・第4部(9)】
監督を落とせなかった「いい男」たち

やったぁ! ベンチからマウンドの東尾(21)へ駆け寄る田淵(左から2人め) やったぁ! ベンチからマウンドの東尾(21)へ駆け寄る田淵(左から2人め)

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 田淵の言葉は不思議と選手たちに受け入れられる。

 秋季キャンプで広岡監督を「胴上げして落とそう」と提案したときも。リーグ優勝を果たした今回「落とすのは日本一の胴上げのときにしよう」という再提案にも反対する者はいなかった。

 昭和57年10月30日、西武は日本シリーズで中日を4勝2敗で破り初の「日本一」に輝いた。歓喜の輪の中で「やろうぜ!」と勇む東尾を田淵はまたしても抑えた。

 「巨人を破らないと本当の日本一とは言えん。巨人に勝ったときだ」

 星野のように強烈なリーダーシップがあるわけでもない。田淵自身、チームを引っ張っていこうなんて思ったこともない。「なのに、ふと気づいたら自分が一番前を走っている」という。根本陸夫が欲しがった田淵の“打つ以外の能力”とは、実はこのことなのかもしれない。

 翌58年、広岡西武は前後期完全優勝で早々とパ・リーグを制し、「宿敵」巨人を迎え打った。西武は徹底的に江川を研究し、江川攻略には成功した。だが、西本聖に苦しめられた。

 【第1戦】西武6-3巨人 田淵が二回、江川のカーブを左翼へ3ラン。

 【第2戦】巨人4-0西武 西本聖が4安打完封。

 【第3戦】巨人5-4西武 中畑が森から左前へサヨナラヒット。

 【第4戦】西武7-4巨人 2点リードされた五回2死二、三塁で田淵が江川から同点中前タイムリー。

 【第5戦】巨人5-2西武 四回、田淵が西本聖から2号本塁打するも、2-2の九回2死一、二塁でクルーズがサヨナラ本塁打。

 【第6戦】西武4-3巨人 延長十回、5番手・江川から2死一、二塁で金森がサヨナラヒット。

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