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【田淵幸一物語・第4部(1)】因果はめぐる「江川騒動」

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【田淵幸一物語・第4部(1)】
因果はめぐる「江川騒動」

昭和53年11月21日、「空白の1日」を使い江川(右)の入団を発表する巨人の正力オーナー 昭和53年11月21日、「空白の1日」を使い江川(右)の入団を発表する巨人の正力オーナー

 「南海、江川卓…」と読み上げられると会場に「おおっ」という歓声が湧き起こった。巨人の横暴に敢然と立ち向かった球団は南海、ロッテ、阪神、近鉄の4球団。それぞれの代表が緊張した表情で抽選箱に腕を入れる。「開けて下さい」の声がかかっても誰も封筒の封を開けようとしない。お互いに顔を見合わせる。そして長い沈黙を破ってそっと右手を挙げたのが阪神の岡崎義人代表だった。

 後年、岡崎はそのときの心境をこう語った。

 「ほんまはどの球団も江川なんて指名しとうなかったんや。けど、当時はそんな雰囲気やなかった。特にウチの場合はな。ワシにとって初めての抽選やったのに『当たるな』と願ってくじを引いた。選択権決定の文字を見たとき思わず『しもたぁ』と声が出たわ」

 10年前(昭和43年)のドラフトで阪神は巨人から田淵を奪った。その田淵を「放出」したとたんに、今度は江川騒動の渦中に…。やはり因果は巡るのである。(敬称略)

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