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【都市を生きる建築(96)】大正時代に建てられた「築港赤レンガ倉庫」クラシックカー展示で再生

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【都市を生きる建築(96)】
大正時代に建てられた「築港赤レンガ倉庫」クラシックカー展示で再生

湾曲しながら三角屋根が連続する独特の外観。壁面にうっすらと住友マークの跡が残る(西岡潔撮影) 湾曲しながら三角屋根が連続する独特の外観。壁面にうっすらと住友マークの跡が残る(西岡潔撮影)

 横浜や函館など、全国各地に残る赤レンガ倉庫は再生活用が進み、どこも観光やデートスポットとして人気を集めている。大阪でも築港の南側にあって長らく閉鎖されていた築港赤レンガ倉庫が、全国的にも珍しい本格的なクラシックカーを展示する「ジーライオン・ミュージアム」として、2015(平成27)年に再生された。

 築港赤レンガ倉庫は、住友倉庫として1923(大正12)年に建設された。大阪では築港を近代的な国際貿易港とすべく、1897(明治30)年から整備事業に取り組み、大桟橋(現在の中央突堤)や大阪初の市電などを整備していくが、経済的な問題や社会情勢などで思うように進まなかったところ、住友が行政の代わりに護岸の整備を申し出た。その桟橋を優先的に使用するために建てたのが、海岸沿いの住友倉庫群というわけだ。今でいうところの、民活のはしりといえる。

 赤レンガ倉庫を設計したのは、住友に所属し、野口孫市(まごいち)とともに中之島図書館の設計に携わった建築家・日高胖(ゆたか)。古典様式の壮麗な図書館を手がけた建築家が、倉庫を手がけていることに違和感を覚えるかもしれないが、どちらも近代都市を実現するための重要施設だ。2棟ある倉庫のうち、道路に面した北側がナイフの刃のようにカーブしているのは、当時の貨物用の鉄道の線形に合わせたもの。三角屋根の妻面が湾曲しながら連続するという、他のレンガ倉庫にはない独特の外観を生みだしている。

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