産経WEST

【坂口至徳の科学の現場を歩く】アルツハイマー病予防、次世代ナノテク材料…世界初アミロイド線維を自在に作製 奈良先端大・台湾交通大など

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【坂口至徳の科学の現場を歩く】
アルツハイマー病予防、次世代ナノテク材料…世界初アミロイド線維を自在に作製 奈良先端大・台湾交通大など

人工的に作製された「シトクロムc」のアミロイド線維。超音波処理して凝集体をほどいたあと透過型電子顕微鏡で観察した(奈良先端大提供) 人工的に作製された「シトクロムc」のアミロイド線維。超音波処理して凝集体をほどいたあと透過型電子顕微鏡で観察した(奈良先端大提供)

 実験では、まず「シトクロムc」が、集光点である1ミクロン(千分の1ミリ)立方の領域に集中して濃度が高まることにより、構造が変化してアミロイド線維の核ができる。そして、それが成長する形で数十分以内に球状のアミロイド線維の凝集体を作製することに成功した。

 また、この球状凝集体を超音波によってほどき、解像度が高い透過型電子顕微鏡で観察したところ、アミロイド線維に特徴的な構造が形成されていることを確認した。

 一方、この技術は、非常に強固な構造を持つアミロイド線維を使った次世代のナノテクノロジーの新機能材料の開発にも役立てることができる。レーザー光による光圧を操作し、アミロイド線維の凝集体を連続して作成できるうえ、基板上に配列することにも成功した。

 研究グループは「シトクロムcに限らず、アミロイド線維を形成する多くの種類のタンパク質に対して、この手法が有効であることを示せば、より多くの疾患のメカニズムの解明が期待できます。また、アミロイド線維を自由自在に配列して機能を高める新たな科学の分野を開拓していきたい」としている。

続きを読む

関連ニュース

「産経WEST」のランキング