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【都市を生きる建築(95)】歴史的背景と現代性を両立…市民に開かれた「大阪弁護士会館」

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【都市を生きる建築(95)】
歴史的背景と現代性を両立…市民に開かれた「大阪弁護士会館」

透明感のある格子が印象的な外観。手前左手に大阪市立東洋陶磁美術館、その奥に大阪地方裁判所庁舎が見える(西岡潔撮影) 透明感のある格子が印象的な外観。手前左手に大阪市立東洋陶磁美術館、その奥に大阪地方裁判所庁舎が見える(西岡潔撮影)

 どんな建築を建てるかというのは難しい。自分たちのあり方を象徴したいし、都市の中での調和も大事だ。歴史的な物語も踏まえながら、現代性も加えたい。2006(平成18)年に大阪・西天満に完成した大阪弁護士会館は、そんな対立を乗り越えた現代建築だ。

 中之島の図書館や中央公会堂の向こうに見える外観は、細い格子の中に透明なガラス箱が収まっているかのよう。シャープで単純だが、あまり目にしない形だ。気になるのは、あの鈍い輝きを放つ格子が何なのか。

 近づくと、それがタイルであるのが分かる。特注品の大きな陶板が、柱と梁(はり)を包み込んでいる。これほどに細い構造体で14階建ての建物を支えられるのは、最新の建設技術の成果である。内部に柱が無いため、将来的な間取りの変更にも対応できる。そんな合理性に、焼きものならではの美しいムラが人間味を加えている。時の流れに耐えるシンプルな構成美と、より深みを増す味わいが両立している。

 「市民に開かれた弁護士会」が、この新会館の建設にあたって大阪弁護士会が決めたコンセプトの第一だった。2層吹き抜けのエントランスロビーは、東西に50メートルを超える長さがある。圧倒的な開放感で、開かれた弁護士会の姿勢を形にしている。

 光だけではない、陰影もある。反対側の壁には煉瓦(れんが)が隙間をあけて積まれ、織物のような風合いは通りからもガラス越しに印象深い。このスクリーンを通過した光が、市民の利用を考慮して2階に設けられた大会議室のロビーに、適度な暗がりを生み出す仕掛けだ。

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