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【エンタメで生きるんや(6)】会社に内緒で新人賞、自分の受賞原稿を自分で書く  作家・塩田武士さん

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【エンタメで生きるんや(6)】
会社に内緒で新人賞、自分の受賞原稿を自分で書く  作家・塩田武士さん

平成22年に第5回小説現代長編新人賞を受賞した塩田武士さん(本人提供) 平成22年に第5回小説現代長編新人賞を受賞した塩田武士さん(本人提供)

 --その後、労働組合に駆り出されました

 塩田 文化生活部から1人執行部に出さねばならないということで。組合ニュースをつくる教育宣伝部長を任されました。正直、組合には興味がなく、「やっと小説家になれて、記者との二足のわらじでもしんどい」と断り続けていたんですが、お世話になった組合委員長が出てきて…。

 --それは逃げられませんね

 塩田 「僕、これ小説にしますよ」と言うと「書いてくれ」ということだったので引き受けました。それで『ともにがんばりましょう』を書きました。この作品のリアリティーには自信があります。

 --12年、めげずに応募し続けるのもすごい

 塩田 やはり小説家になりたかった。エンターテインメントの世界で生きていくと決めていて、その軸が外れてしまったら、自分には何にも残らないと分かっていたので、やめてしまうのが怖かったんです。落ちても落ちても、「今書いているやつはもっと面白い」と前に進めました。スランプはなかったですね。

 --会社をやめるときはどうでした? それなりの覚悟が要ったのでは

 塩田 全然でした。ようやく独立でき、小説のことだけ考えられる人生は幸せだ、という気持ちが強かったんです。

 --独立後、生活の方は

 塩田 いくつかいただいた連載でどれかが当たればいいと思っていたんですが、売れなかったですねえ。危なかったんですが、そんなときでも僕は「行ける」と思ったんです。そしてぎりぎりのタイミングで『罪の声』が売れて…。得な性格なのかもしれません。

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