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【依存~断てないギャンブル(3)】「あんた、死んだら」 母の言葉を契機に目覚める 「ギャンブル悪ではない」

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【依存~断てないギャンブル(3)】
「あんた、死んだら」 母の言葉を契機に目覚める 「ギャンブル悪ではない」

ギャンブル依存症を克服した依存症回復のワンネスグループ共同代表の三宅隆之さん=平成29年4月28日(前川純一郎撮影) ギャンブル依存症を克服した依存症回復のワンネスグループ共同代表の三宅隆之さん=平成29年4月28日(前川純一郎撮影)

 そして、ある回復に向けたプログラムに出合う。それは、昔、迷惑をかけた人に会いに行くというものだった。

何も分かっていなかったのは自分だった

 三宅は、横領した放送局の上司と面会した。怒られると身構えたが、開口一番に「おお、元気だったか」と迎えてくれた。近況を話し、返済が滞っていることをわびると、上司はまた笑顔を見せてこう言った。

 「少額でいいんだよ。続けることが大事だし、手紙も添えてよ」

 周囲が自分を認めてくれない、分かってくれないと軋轢(あつれき)を起こし、逃げるようにギャンブルにのめり込んだが、上司の言葉を聞いて、何も分かっていないのは自分だったと悟った。

 その後も知人らと面会を繰り返した。「ぶん殴りたい」と辛辣(しんらつ)な言葉を浴びることもあったが、それだけ自分に心を許してくれていた人がいたんだとも感じた。そして、どんな境遇でも胸を張って生きていけばいいと思えるようになったという。

 「自分自身が上書きされるようだった」。三宅は当時の感覚を振り返る。それから10年。ギャンブルには一切手を出していない。法律関係の事務所から転職し、いまは奈良を拠点に依存症で苦しむ人の支援を続ける。結婚し、昨年には長女を授かった。

「依存症に至る人は結局、何かに頼らなければいけない問題を抱えている…」

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