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【エンタメで生きるんや(2)】「今の筆力では書けない」 アイデアを温め続け15年  作家・塩田武士さん

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【エンタメで生きるんや(2)】
「今の筆力では書けない」 アイデアを温め続け15年  作家・塩田武士さん

昨年10月に『罪の声』で第7回山田風太郎賞に選ばれ、会見する塩田武士さん=東京都千代田区 昨年10月に『罪の声』で第7回山田風太郎賞に選ばれ、会見する塩田武士さん=東京都千代田区

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▼(1)デビュー9作目『罪の声』16万部の秘密…続く

 --小説『罪の声』の着想を得てから刊行されるまで15年がたっています

 塩田 ずっと書けなかったんです。平成22年にデビューしましたが、当時の担当編集者にアイデアを伝えたら「おもしろいが、今の筆力では書けない」と言われ、「これはうちのネタだから、よそには言うな」と口止めされました。

 --筆力がつくのを待っていてくれたんですね

 塩田 普通、おもしろいネタを聞いたら「すぐ書いてくれ」といいますよね。その編集者がすごいのは作品のことを思って「書くな」と言った勇気です。

 --事件から随分たってますが、社会的なタイミングとしてはどうなのですか

 塩田 事件を調べると、昭和59、60年はエアポケットだったことが分かりました。この事件で警察が行ったローラー作戦が、大量消費社会化と都市化が進んで効かなくなっていたんです。防犯カメラ、Nシステム(自動車ナンバー読み取り装置)、パソコン管理…と今のような完全な記録社会だったら、すぐに検挙されていたでしょうね。平成7年ごろの情報革命から20年ぐらいがたち、ようやく時代が落ち着いた感がある現在に書くのは意義があると感じました。

 --小説は、フィクション部分とノンフィクション部分の境目が分からないほど現実味があります

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