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【エンタメで生きるんや(1)】「グリ森」脅迫テープ声の主、子供に着目  作家・塩田武士さん

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【エンタメで生きるんや(1)】
「グリ森」脅迫テープ声の主、子供に着目  作家・塩田武士さん

昨年刊行し、4月に発表された本屋大賞で3位になるなど今も話題の『罪の声』著者の塩田武士さん=大阪市浪速区 昨年刊行し、4月に発表された本屋大賞で3位になるなど今も話題の『罪の声』著者の塩田武士さん=大阪市浪速区

 --事件当時はまだ幼かったでしょう

 塩田 事件が起きたのは昭和59年3月18日で、僕はその1カ月後に5歳になりました。終結宣言のときは6歳。キツネ目の男の似顔絵と、母親から「お菓子食べたらあかんで」と言われたことを強烈に覚えています。頭の中でお菓子を食べたらいけないということと、キツネ目の男が結びついている状態でした。ただ、具体的にどんな事件かは知りませんでした。

 --興味はあった?

 塩田 関西在住だし、周りの大人が折に触れ話題にしていたので、自然に。ノンフィクション本を読んで「ほんまに起こった事件なんや」と興奮し、事件が持つ魔力みたいなものにひきつけられました。

 --この事件を小説の題材にするアイデアはいつ生まれたのですか

 塩田 大学3年のとき、大学の食堂で事件の関連本を読んだのがきっかけです。犯人が録音した脅迫テープに残っていた声は子供のもので、3人いるとされる子供の一番下の子が僕と同世代。同じ関西で生まれ育ったとすれば、この子とどこかですれ違っているかもしれない…そう思った瞬間、鳥肌が立ちました。この子の人生を書いたらすごい小説になるぞ、と。何から書けばいいか全くわかりませんでしたが、いつかこの小説は書くことになると予感しました。自分の持ちネタで最大のものとして秘めていました。

 しおた・たけし 昭和54年、兵庫県尼崎市生まれ。関西学院大学社会学部卒。神戸新聞社在職中の平成22年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。28年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞。他の著書に『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』など。

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