産経WEST

【田淵幸一物語・第3部(12)】「新人王」…運命の歯車が動き出した

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【田淵幸一物語・第3部(12)】
「新人王」…運命の歯車が動き出した

やっぱり格好いい!「新人王」を獲得した田淵 やっぱり格好いい!「新人王」を獲得した田淵

前のニュース

 田淵に「新人王決定」の朗報が届いたのは11月4日の午後3時過ぎだった。大阪市北区梅田の球団事務所で田淵は「胸が詰まるほどうれしい。うれしくてうれしくて…」と本当に胸を詰まらせた。

 シーズンの表彰選手は今も昔も野球記者の投票で決まる。田淵の得票は161票。2位の星野仙一(中日)が10票、3位の山本浩二(広島)が2票。捕手の新人王は史上初の快挙だった。一方のパ・リーグは打率2割8分5厘、本塁打21本、55打点と好成績を残した有藤通世(ロッテ)が132票を集め、56票の金田留広(東映)を抑えて獲得した。

 この年の最優秀選手(MVP)はセ・リーグは打率3割4分5厘、本塁打44本の2冠に輝いた王貞治(巨人)が4度目の受賞。パ・リーグは41ホーマーで本塁打王を獲得し、打率3割1分6厘、101打点とリーグ優勝に貢献した長池徳二(阪急)が初の受賞となった。

 ルーキー田淵はよくやったか否か-は、大いに意見が分かれた。「考えが甘い。練習も生ぬるい。積極性に欠けている」と酷評する人もおれば、「1年目からうまくいった捕手はいない。田淵はよくやった」と評価する声も多くあった。

 たしかに中京大から中日に入団した木俣達彦の1年目は56試合で打率2割1分2厘、本塁打はなし。20ホーマーを超すようになったのは5年目から。テスト生として京都・峰山高から南海に入った野村克也が活躍するのは3年目から。高卒ということもあるが1年目は9試合で11打数ノーヒット5三振。シーズン終了後にはなんと「戦力外通告」まで受けた。このとき「ここでクビになるんなら、南海電車に飛び込んで死にます」と言った話はノムさんの有名な逸話の一つである。

続きを読む

田淵幸一物語のニュース

このニュースの写真

  • 【田淵幸一物語(1)】「田淵はミスターTではない」と断言した村山監督
  • 【田淵幸一物語(1)】「田淵はミスターTではない」と断言した村山監督
  • 【田淵幸一物語(1)】「田淵はミスターTではない」と断言した村山監督
  • 【田淵幸一物語(1)】「田淵はミスターTではない」と断言した村山監督

「産経WEST」のランキング