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【田淵幸一物語・第3部(9)】色あせた「田淵ブーム」

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【田淵幸一物語・第3部(9)】
色あせた「田淵ブーム」

球界の話題を集めた阪神・田淵(左)と広島・山本 球界の話題を集めた阪神・田淵(左)と広島・山本

 太田を獲得した近鉄は潤った。翌年のオープン戦で巨人から初めて4試合の「お座敷」がかかったのだ。パ・リーグでは3連覇を達成した阪急でさえ、優勝するまでは巨人に相手にされず、近鉄などは申し込んでも「格が違う」と門前払いされていた。その巨人からお声がかかったのだから「これでウチもやっとA級ライセンスがもらえた」と大喜びだったという。

 余談が長くなった。話を田淵に戻そう。夏も終わりシーズンも終盤。阪神の残り試合は「31」。9月13日の時点で田淵の成績は打率2割2分2厘、本塁打14本、打点41。当時の「新人王」の条件は一般的に打者の場合、打率は2割5分以上、本塁打は20本以上といわれており、残り試合で打率は3打数1安打のペースを上回らなければいけないし、ホームランも5試合で1本ペース。各紙の予想も『新人王はまず無理』『甘くなかったプロの水』と厳しいものばかり。

 「甘く考えていた訳じゃないんですが…。もっといい成績が挙げられると思っていた。結果的にその考え方が甘かった」

 すっかり色あせた「田淵ブーム」。誰もこの後に「驚異の逆襲」があることなど予想もできなかった。(敬称略)

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