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【経済裏読み】深刻さ増す韓国大学生の就活事情 見習うべきは中国か日本か

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【経済裏読み】
深刻さ増す韓国大学生の就活事情 見習うべきは中国か日本か

ソウルで4月に開かれた就職フェアで、求人情報に見入る女性(ロイター) ソウルで4月に開かれた就職フェアで、求人情報に見入る女性(ロイター)

 韓国で大卒の失業者が初めて50万人を超えた。「良い職業に就くため」大学で学んだものの、高い学歴に見合った働き口が少ないというのが要因らしい。危機感は強く、韓国メディアでは「中国人のように挑戦と創業を」とか「少ない給料でも不平不満を漏らさず就職する日本の大学生を見よ」といわんばかりの議論も。しかし、いずれも精神論で処方箋は見当たらない。出口は遠そうだ。

ふさわしい仕事がない

 韓国統計庁が発表した1~3月期雇用動向調査結果によると、15~29歳の失業率は12・3%。大卒以上は54万人で、四半期の統計を取り始めてから初めて50万人を超えた。また、就職活動をしない、あるいは就職をあきらめた大卒以上の人は350万人超となった。

 朝鮮日報(日本語電子版)は「雇用のミスマッチ」が原因だと分析。「中小企業などに就職するよりも(志望企業や職種の)スペックを高くしたり、就活塾を活用したりして大企業など条件の良い就職先に入ろうとすることから起こる」としている。

 ハンギョレ(日本語電子版)は、経済協力開発機構(OECD)の統計と韓国統計庁の報告「韓国の社会動向2016」を用いてさらに詳しく分析している。

 韓国の25~34歳人口に占める高等教育履修者の比率は68%で、OECD加盟国では最高。しかし、管理職や専門職、技術職の働き口は21・6%と最下位水準。大企業と中小企業の賃金格差も大卒者の職探しのブレーキになっているという。

 ハンギョレは別の記事で「若者3人のうち1人がワーキングプア」とする公的機関の研究員のリポートを紹介した。一度ワーキングプアになると抜け出すのは難しいという。ならば、安定した大企業を志望するのは自然な流れだ。

中国は凄いぞ

 こうした状況を「平均のワナに陥った」と表現するのは、中央日報日本語電子版に掲載された韓国経済新聞の社説だ。「天才企業家を量産する中国」への羨望を隠さない。

 取り上げたのは中国・深セン。企業数は2010年末に36万社だったのが、15年末には約3倍の114万4000社に増え「挑戦と創業が日常化した米シリコンバレーをほうふつさせる」都市となったと評価する。これに対し、韓国の新設企業数は1日平均275社。年間10万社の計算で深センに及ばない。しかも質も問題だという。

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