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【田淵幸一物語・第3部(3)】初対面、広岡達朗の注文

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【田淵幸一物語・第3部(3)】
初対面、広岡達朗の注文

本紙評論家・広岡氏との初めての対談で緊張した表情をみせる田淵 本紙評論家・広岡氏との初めての対談で緊張した表情をみせる田淵

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 好敵手・平松を得た田淵。後年、彼は「人との出会いが自分を育てた」と強調した。その中の一人に西武に移籍したときの監督、広岡達朗がいる。「野球の勝ち方、負け方を教わった」という。だが、広岡との“初対面”はこの時ではなかった。

 実は驚異の2連発が飛び出した大洋戦の次のカード、16日のアトムズ戦で2人は出会った。当時、産経新聞には多くの評論家が所属していた。広岡もその一人。ちょうど16日の試合が雨で中止となり、阪神の選手宿舎へ広岡が出向き「対談」を申し込んだのである。

 広岡「君とは初対面だが、いろいろ話したいと思っていた。ズバズバ言わせてもらうよ」

 田淵「よろしくお願いします。1年生ですし、何でも自分のためになると考えています」

 広岡「君にぜひやってもらいたい。それは試合前のシートノックで全力で投げて欲しい。見ててスカッとするくらいに」

 田淵「実行します。たしかに練習のときには力を抜いてました」

 広岡「阪神は昔は豪快なカラーを売り物にしていた。ところが今は妙に灰色がかってしまった。非情に物足りない。だから君に期待している」

 田淵「恐縮です」

 広岡「グラウンドへ出たらベテランも若手もない。むしろ引っ張り回すつもりでやれ」

 田淵「いまは、何が何だかわからず、無我夢中でやってます」

 広岡「ユニホームを着たときはもっと堂々とやるべき。先輩、後輩の礼儀は背広を着たときに守ればいい。プロの世界は技術的なものより、自分に負けないことが一番大切なことだ」

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