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【オトナの外来】「過労自殺」で判明した経済的リスク…メンタル対策も企業利益に、一方で「ブラック産業医」の存在も

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【オトナの外来】
「過労自殺」で判明した経済的リスク…メンタル対策も企業利益に、一方で「ブラック産業医」の存在も

過重労働を苦に自殺しかけた汐街コナさんが、ツイッターに投稿した漫画 過重労働を苦に自殺しかけた汐街コナさんが、ツイッターに投稿した漫画

 過重労働が常態化している上に賃金の未払いやノルマ未達成などの罰金を要求するいわゆる「ブラック企業」がよく話題に上るが、私はそのような企業からメンタルヘルスの相談を受けたことはない。

 過酷な労働条件にもかかわらず、鬱病などの休職者は多くないようだ。私の外来にも多くのサラリーマンが受診するが、ネットで指摘されているようなブラック企業の社員はほとんどいない。

 1部上場の超有名企業の働き方はブラック企業と差はないようだが、その人たちを支えるバックアップ体制が違う。

 ネット上でブラックと指摘されている企業が本当にとんでもないのかどうかは当事者でないとわからないが、官僚などの公務員と過重労働の話になって「一番ブラックなのは働き方改革を勧めている霞が関じゃないの?」と問いかけると「否定はしません」と苦笑する。働き過ぎは日本全体の悪い癖でもある。

 ブラック企業にメンタルを含めた休職者が少ないのは、潰れる寸前までこき使われて自ら退職したり、少し休めば即刻くびになるので元気な人しか生き残っていないからだろう。

 職員が皆元気な企業が理想的だが、ちょっと油断すると業績が低迷する厳しい現代社会で鬱病などの休職者をゼロにするのは難しい。いくら企業側が気を付けていても、プライドやメンツの高い職員がついつい無理をして鬱病になるときもある。職場環境には問題がなくても夫婦関係、介護や育児問題など家族のストレスで鬱病になるケースも少なくない。

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