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【田淵幸一物語・第3部(2)】みんなが脱帽 2打席連続ホームラン

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【田淵幸一物語・第3部(2)】
みんなが脱帽 2打席連続ホームラン

大洋3回戦で六回一死から左翼へ公式戦第1号を放つ田淵=昭和44年4月13日、甲子園球場 大洋3回戦で六回一死から左翼へ公式戦第1号を放つ田淵=昭和44年4月13日、甲子園球場

 いったい田淵に何があったのか-。

 「オープン戦ではさっぱりだったけれど、それなりにいい体験をしたんですよ。きょうホームランが打てたのもその経験があったから。ほら、ボクは公式戦が好き-と言っていたでしょ」

 田淵の目は赤く潤んでいた。だがそれは2発の興奮からではなかった。開幕戦で平松に3球三振に敗れた田淵は合宿所「虎風荘」に戻るや大鏡の前から動かなかった。

 「なぜ、振れなかったのか」「何がいけないのか」「どうすれば平松のスピードに勝てるのか」。食事も取らず何時間もバットを構えそして振った。

 「その晩は眠れなかった。目をつむるとあの3球が出てくる」。だが、悶々(もんもん)とした中で田淵は何かをつかんだ。

 「グリップの位置を肩のところから、胸のマークの位置まで下げたんだよ。その分、速くバットが出るから」

 プロ野球の世界では、選手が伸びるとき、それは良き「好敵手」を得たとき-と言われる。田淵にとって平松がまさにそれであった。(敬称略)

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